No18 なぜ税務調査に入った@

 

税務調査に入られやすい会社には、入られやすくなる理由や、ある程度パターンがあるのですが、実は税務調査自体の目的ではないのに、税務調査に入れることがあります。わかりにくいポイントなので、しっかり説明したいと思います。

税務署は常日頃から、脱税者(社)を捕まえるために、あらゆる面から情報収集を行っています。
 例えば、税務調査を行うと、その取引先や取引金額を情報として残しています。また、税務調査に入らなくても、雑誌・チラシの広告から情報収集したり、街を歩いていた際に見かけた駐車場の台数から、持ち主が確定申告を適正にしているのかまでチェックしているのです。
つまり、税務署にとっては、常日頃から収集している情報が大事であり、その情報を取るためならかなりの努力をするというわけです。

そこで行われるのが、「情報収集のための税務調査」です。ある会社に税務調査に行くのですが、その会社が適正な申告・納税をしているのかをほとんどチェックもせずに、その取引先や顧客データを収集しているのです。

経営者からすると、本当に迷惑な税務調査なのですが、実際にはこのような税務調査もあるのです。
具体的には、

・保険の代理店のところに税務調査に入って、顧客リストを情報収集
→ 節税目的や資産家を洗い出しています
・証券会社やFX会社
→ 副収入を得ているのに確定申告していない人を洗い出しています
・不動産仲介会社
→ 不動産を売却・購入したのに確定申告していない人を洗い出しています

これらは例示であって、他にも情報収集のための税務調査は行われているのです。

もちろん税務署は、「情報収集のための税務調査なので、御社には関係ないですよ」とは言ってくれませんので、税務調査が始まってみないと、「これはまさか情報収集のためだけなの?」ということはわかりません。

時間が取られて迷惑な反面、自社に追徴税額がなどがあまり発生しない分、少し喜んでもいい種類の税務調査なのかもしれません。