No22 消費税アップで何が変わる?

 

先日、消費税率を上げる法案が国会を通りました。これで近い将来、消費税率が上がることだけは確実になったわけです。

ただでさえ納付するのが厳しい消費税ですが、税率が上がればさらに大変なことになりそうです。消費税率が倍の10%になれば、単純に計算しても、倍の消費税を納めなければならなくなるわけです。

消費税が上がることで、会社の経営の何が変わるかといえば、設備投資です。もちろん、消費税率が上がることで請求書等の変更を求められたり、税率の移行期間は経理処理が面倒になったりと、表面的に変わるものは多くありますが、経営にもっともインパクトするのは設備投資なのです。

単純に考えてみましょう。1000万円の機械を買うのに、消費税が倍の10%になれば、なんと100万円もの消費税になり、50万円も多く消費税を支払わなければなりません。

設備投資は毎年のように行うものではなく、タイミングを見計らって行うものですが、ほんの1年ズレるだけで消費税が大きく変わるのですから注意です。

勘違いされている経営者の方も多いのですが、消費税は土地にはかかりません。土地はいつ売っても買っても消費税は影響しないのです。

その一方で建物には消費税がかかります。建物を購入する場合は、消費税が上がる前に購入しなければ、消費税だけ数百万円の差が出ることになりそうです。

税務調査でポイントになるのは、土地と建物を一括して購入している場合です。土地と建物をまとめて5000万円で購入したとしましょう。買うときは、土地と建物をまとめて5000万円ということしか考えていないと思いますが、消費税を考えると、5000万円のうちいくらが土地で、いくらが建物なのかを分ける必要があるのです。

例えば、5000万円のうち2000万円が建物部分ということになれば、消費税は5%で100万円となりますが、4000万円が建物部分ということになれば、消費税が200万円になってしまいます。

土地と建物を按分する計算は、いくつか方法があったり、不動産鑑定士に依頼することもあり得るのですが、実務上は適当に金額を決めやすいので、税務調査では調査官に「建物がこの金額なのはなぜですか?」と聞かれます。

当初から金額設定には根拠ある資料をそろえておきましょう。