No24 税務署の人事異動

 

つい先日ですが、7月10日に税務署の人事異動がありました。毎年7月10日は、国税の人事異動日となっており、税務署間で異動があるため、調査官も一定人数が入れ替ります。


税務署とは面白い組織で、調査官は3年程度の頻度で税務署が変わり、人事異動になります。つまり、毎年約3分の1の調査官が入れ替るわけです。
 これは、調査官と納税者(一般国民)との癒着を防止するための施策だと言われています。ずっと同じ税務署にいれば、何度も同じ社長や税理士を担当することになり、おかしなことになりかねないとの配慮なのです。

どの税務署に、どの調査官が配属になったのかは、公開情報になっていますので、冊子等を購入すれば調べることができます。しかし、このような冊子(一般的には「配属便覧」と呼ばれています)は、印刷等の関係で10月中旬にならないと手に入らないのが通例となっています。
もちろん、個々の調査官を調べても、誰がどんな性格なのかまではわからないですし、そこまで事前に知る必要はないのですが、知っておきたいのは、調査官の経歴です。

税務署という組織も、全員が全員、税務調査を担当している調査官というわけではなく、組織である以上、総務もいれば、人事担当もいます。
長年総務の仕事をしており、久しぶりに現場に戻ってきた調査官ということであれば、正直あまり税法も覚えておらず、勘所が悪かったりするため、税務調査がスムーズに進まないケースもあります。
また、税務署の上位にある国税局で、大規模な税務調査ばかり担当していた調査官が、税務署に来たとなれば、ある程度激しい税務調査を想定しておかなければなりませんから、社長と税理士で事前の打合せを綿密にする必要があるかもしれません。


このように、人事異動というのは税務調査の対応が変わる時期でもあるのです。

3分の1もの調査官が異動するわけですから、税務署も今の時期はバタバタしています。そしてここから、秋の税務調査に向けて、調査官は税務調査先の「選定作業」に入るわけです。


秋は税務調査がもっとも実施される時期です。早ければ7月最終週くらいに税務調査の予約連絡が入ります。いったんお盆などを挟み、9月から11月くらいにかけて、一気に税務調査が行われるのです。嬉しい時期ではないかもしれませんが、税務調査はいずれ入るわけですから、誠実に対応したいものです。