前回から引続き、税務調査で調査官が見ているものを解説しながら、注意すべき点を挙げていきましょう。
調査官が帳簿・帳票類のチェックをしながら、同時にチェックしていることがあります。
@経営者や従業員の発言
数字をいくら眺めても、調査官は誤り発見することはできません。そこで、経営者や従業員にヒアリングしながら、端緒(誤りのきっかけ)を見つけようとするのです。
調査官との会話も、余計なことを言うと痛い目にあうこともありますので注意が必要です。
A会社に余計なものを置かない
調査官は会社に置いているものをチェックしています。具体的には、銀行からの贈答されたカレンダーがあって、その銀行と付き合いがなければ、「その銀行に隠し口座があるのでは?」と疑われるわけです。
また、ゴルフバッグを社内置いている経営者の方もいますが、調査官からすれば格好のネタです。「社長、ゴルフ好きなんですか?」から始まり、プライベートのゴルフ代が経費になっていないかチェックされることになります。
B辻褄が合わないことはやらない
法人で所有する車を、役員等がプライベートでも使用していると指摘されるケースが多くあります。実際には仕事での利用がほとんどで、たまにプライベート使用であれば問題ないのですが、実態が主にプライベートと認定されると経費になりません。
ここでいくら「ほとんど仕事で使っています!」と主張しても、車が常に自宅の駐車場にとめられているとか、仕事で使う理由がない、となってくると厳しい状況に陥るわけです。
誰が考えても辻褄が合わないようなことは、税務調査で指摘されるものと考えておいた方がいいでしょう。
C個人と法人を明確に区分しているか
接待交際費などで指摘されることが多いのですが、経営者個人の支出が会社の経費に入っていないかは、絶対にチェックされるポイントです。
「個人で負担している(法人で経費にしていない)飲み代・ゴルフ代もあって、それはこういう基準なんです」と説明できれば完璧でしょう。
そこまではできなくても、どの取引先と行ったのかくらいは説明できるようにしておきたいものです。