No47 「税務調査の事前通知A」

 

前回から引続き、税務調査の事前連絡において、法人(個人事業主)側で何を聞き取らなければならないか、というポイントです。

前回挙げた7項目のうち、前半の6項目は読んで字のごとく、日時や場所等を聞くことになります。

ここで1点大事なのが「調査の対象となる帳簿書類その他の物件」という項目です。これは税務調査でどんな書類を準備しておけばいいか、というものです。多くの場合、「(総勘定)元帳、請求書、領収書などですね」と言われるはずですが、裏を返せば「準備しておいてほしい」と言われたものだけ準備すればいい、と解釈できます。この点をきちんと聞いておくと、余計なものを用意する手間は省けます。

また、7つめの項目にある「その他調査の適正かつ円滑な実施に必要なものとして政令で定める事項」ですが、それを定めたものが別の法律(国税通則法施行令第30条の4)に規定されています。

1.調査の相手方である法第74条の9第3項第1号に掲げる納税義務者の氏名及び住所又は居所
2.調査を行う当該職員の氏名及び所属官署
3.法第74条の9第1項第1号又は第2号に掲げる事項の変更に関する事項
4.法第74条の9第4項の規定の趣旨

この点、法律の規定はわかりにくいので解説を加えておくと、

1:みなさんの名前と住所を伝えるという当たり前の事項です

2:税務調査を行う調査官の名前を伝えられます

3:一度決めた調査の日時・場所を変更する場合に、変更した後の決め事を伝えます

4:上記のように通知した事項以外におかしな点が出てくれば、再度通知することによって、さらに書類の提示などを求めることができるという内容です。

細かい部分になりますが、税務調査の手続きが大きく変わったのと同時に、細かく規定されることになりました。

事前通知の項目は多いのですが、調査官が言ったことを漏らさないようメモをとっておくことをおすすめします。