No50 「春の税務調査開始!」

 

春の税務調査の季節がやってきました。

税務調査というのは、1年の中でも大きく2つの時期に分かれています。少しややこしい部分もあるので、税務署的な視点から解説しておきましょう。

国税という組織は、1年の始まりを7月としています。ちょっと変わっているので、一般的な考え方からすると、かなり違和感があるところです。

国税は1年を上期と下期に分けていますが、7月から始まりますから、毎年

7〜12月:上期
1月〜6月:下期

としています。ということは、春のこの時期は下期ですね。

下期は少し特別で、個人の確定申告があります。確定申告は2〜3月中旬までなのですが、この時期は税務調査に立会いする税理士も忙しく、また税務署内も確定申告の対応に忙しいという事情もあって、特別な事情などがない限り、確定申告時期に調査が行われることはありません。

こういう事情を考えると、大きく税務調査は「春の時期」と「秋の時期」に分けることができるのです(真冬は調査がないという感覚です)。

ここにはさらに税務署内の事情が絡んできます。税務署の職員は、3年に1回程度の頻度で転勤(他の税務署に異動)するのですが、この転勤時期は7月上旬です。しかも、転勤になる調査官は、直前まで転勤になるかどうかを明示されていないのです。

ということは、春の調査と秋の調査には次のような違いがあるといえます。

【春の税務調査】
・時期が短い
・調査件数が少ない

【秋の税務調査】
・時期が長い
・調査件数が多い

春と秋で、税務調査にもこれだけの違いが出てくるのです。