No68「印紙税の取扱い@」

 

法人に対する税務調査は、「法人税・消費税・源泉所得税」という3つの税金が同時に調査されるのが通常です。しかし、契約書等が多数存在する業種・業態においては、同時に印紙税の調査もされることが多くあります。

しかし、印紙税の税務調査は他の税金の調査と異なっている点があることは、経営者のみならず、我々税理士として注意しなければならないポイントです。

まず前提となる、我々税理士を規定している法律を確認してみましょう。

税理士法第2条(税理士の業務)
税理士は、他人の求めに応じ、租税(印紙税、登録免許税、関税、法定外普通税(地方税法(昭和25年法律第226号)第13条の3第4項に規定する道府県法定外普通税及び市町村法定外普通税をいう。)、法定外目的税(同項に規定する法定外目的税をいう。)その他の政令で定めるものを除く。以下同じ。)に関し、次に掲げる事務を行うことを業とする。

カッコ書きが多くて、ややこしい文章ですが、簡単に説明すると、税理士は印紙税の業務を行うことができません(印紙税を除くと規定されています)。

なぜ税金の専門家である税理士の業務において、印紙税が範囲から外されているのか謎なのですが、法律にそう規定されている以上、仕方のない部分です。

さて、この事実を踏まえて、では税務調査の事前通知はどのようにして行われるのでしょうか。

税務署内の規定によると、このようなルールがあります。

「法人課税部門における実地の調査においては、原則として、法人税、消費税及び源泉所得税を事前通知の調査対象税目とする。(中略)なお、原則として、印紙税は事前通知の際の調査対象税目には含めないが、調査着手後、法人税等の調査の過程において印紙税の不納付文書(納付方法が印紙貼付によるものに限る。)を把握した場合には、事前通知事項以外の事項として調査対象に追加することを納税義務者等に説明した上で調査することに留意する。」

というわけで、事前には通知しないが、必要であれば印紙税の調査も行うとしているのです。

話はややこしいので、次回も同じテーマを取り扱いましょう。